アーティストの中身を深堀りするメディア

2022.3.31 - COLUMN B-SIDE

クボタカイにとっての「ポップス」のNAKAMI

4年前に始まった僕の音楽。
確か、福岡の中洲で失恋した激情をそのままに歌詞を書いたのが僕の始まりだった。

学業の傍ら、何となく書き続けたリリックが少しずつ世間に見つかり始め、今は音楽が仕事になっている。これが仕事な以上、音楽に対して自分の論を持たなければならない。
例えば「ポップス」について。

音楽のジャンルでよく聞く「ポップス」。
例えばロックやヒップホップなんかはその言葉を聞けばパッとイメージ出来るのに、ポップスというと定義が広すぎて難しい。さらに近年では、様々なジャンルの音楽を織り交ぜたミクスチャ的なポップスも乱立している。

音楽の王道、ポップス。
「ポップス」とは何だろう。
僕なりの考えをここに記してみる。

「ポップス」は「先生」だと思う。
例えば、偏差値50以上の生徒しか教えられない先生よりも、偏差値40の生徒にも教えられる方が良い先生であるように、難しい事をどんな人にも分からせる。それがポップスだ。

逆に他のジャンル、「ロック」「パンク」「ヒップホップ」「オルタナティブ」などは、「研究職」だ。それぞれにそれぞれの魅力がある。その魅力に、深みに向かって真っ直ぐ突き進む。自分の「好き」について向き合い、ひた走る姿はまさに研究職だ。

ただし先生というものは、馬鹿ではなれない。人に教えると言うことはまず自分が深く理解していないと成立しない。面白いのは、「先生」に至るにはそれ以外の「研究職」にも理解が無いといけないというパラドクス。

リスナーから見れば触れやすく、作り手としては遠い存在。ポップスとは、聴くのは一番簡単で、作るのは一番難しい。こんなカッコいいジャンルは他に無い。

僕はラップやロックが大好きで、その魅力を沢山の人に気付いて貰いたい。
自分の中でジャンルを噛み砕いて、もっと「クボタカイ」として世の中に発信したい。
沢山のジャンルの入り口になれるように、

だから僕は、ポップスに強く憧れている。

BIOGRAPHY

宮崎出身在住1999年生まれ。ラッパー/シンガーソングライター。2017年よりフリースタイルラップ、楽曲制作を開始。Hip-Hop、R&B、Rock からPops まで幅広い音楽と文学の香りを感じさせるリリックで注目を集める中2019年3月に自主制作EP盤「305」を販売するが即完売し話題となる。2021年4月には、衝撃の問題作「僕が死んでしまっても」を収録している初のフルアルバム「来光」をリリースする。様々なアーティストへの楽曲提供でも注目を浴びる中、理性と野生のぶつかるポップなダンスチューンの新曲「ナイトイーター」をリリース。

RELEASE

2022.03.23 WED
ニューシングル
『ナイトイーター』

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